ドメインパワーからE-E-A-Tへ選手交代⁉ドメインパワーはもうあまり気にしなくもいいかも

最近のSEO実務や検索エンジンの変化を見ていると、ドメインパワーをそこまで気にしなくてもよい、あるいは従来の意味合いが薄れているという印象があります。

筆者は、SEOほぼ一本で11年目のSEOエンジニアです。

そもそもドメインパワーとは?

そもそもドメインパワーとは、ホームページのドメインがGoogleによって評価されている度合いを示す指標です。「サイトの強さを推定したもの」で、これが検索順位に大きな影響を与えると言われてきました。また、外部SEO面では被リンクとしての価値を判断する根拠にもなっています。

ツールによって、ドメインパワー(DP)、ドメインレーティング(DR:Ahrefs)、ドメインランク(DR)、ドメインオーソリティ(DA:Moz)などと呼ばれています。

そもそもドメインパワーは、Google公式のものではなく、外部のSEOツール提供会社が独自に算出しているドメインの評価指標にすぎません。Googleはこの存在を認めておらず、公式なランキング要因としても否定してきました。そのため、SEOの専門家界隈でも、ドメインパワーへの重きの置き方はまちまちで、「ドメインパワーは重要ではない」と考える方もいました。筆者はというと「ドメインパワーは重要である」という立場で実務を行ってきました(結果も出してきました)。どちらかと言えば、その考えの方が主流かと思います。

2024年にGoogleの内部ドキュメントが漏洩したとき、siteAuthorityという属性が明らかになりました。これで、Googleはやはりサイトレベル(ドメインレベル)で権威的指標を持っていて、それが順位付けに使われていることが示唆されました。

ドメインパワーの存在感が薄れている印象を受ける

これまでドメインパワーは、HPを構成する個々のページたちの評価の平均値、「いわば、あるクラスの生徒のテストの平均点」、筆者はこう考えてきましたし、お客様にそう説明してきました。だから、閲覧数や滞在時間の短い記事やブログはnoindexをつけましょう、と。今もこの対策は、もちろん有効であることは違いありません。

にもかかわらず、筆者が冒頭で「最近、ドメインパワーをそこまで気にしなくてもよい、あるいは従来の意味合いが薄れているという印象がある」と書いたのは、ドメインパワーが低くても、上位になるケースを多く見るようになった印象があるためです。そしてそのケースでは、ある共通点があります。

ドメインパワーからE-E-A-Tへ選手交代⁉

2022年に、従来のE-A-T(専門性・権威性・信頼性)に「Experience(経験)」が加わり、E-E-A-Tという考え方が示されるようになりました。さらに生成AIが急速に普及した現在、実際の経験に基づいた情報や、誰がどのような知識・経験をもとに発信しているのかといった要素は、ますます重要になっています。

生成AIは自ら経験することはできないから、人間が経験した情報は喉から手が出るほど欲しい情報といったところです。つまり、「Experience(経験)」の重要度が目に見えて増していると感じます。

ドメインパワーが低くても検索上位になるケースでは、経験をうまく打ち出しているという共通点が感じられます。

E-E-A-Tは、Googleの検索ランキングシステムが「ページ単位」で評価して順位付けする仕組みを加速しているように思います。単にドメインパワーが強ければ全てのページが上位になれる時代から、ページごとにシビアにE-E-A-Tを評価され、きめ細かいランキング洗礼を受ける、そんな時代になっていくでしょう。

Googleはこう言っています。

  • 「E-E-A-T自体は特定のランキング要因ではない」
  • 「E-E-A-Tの高いコンテンツを識別するさまざまな要素が検索結果を決めるシステムで使われている」

つまり、E-E-A-Tはランキングに影響するということです。E-E-A-Tはドメインパワー(なるもの)にも強く影響しているでしょう。個々のページの順位付けの重要なファクターにもなっていると筆者は思います。

生成AIによって、すでにweb上にある情報を単に再整理したような情報が大量に作れる時代になりました。「誰が書いても同じような情報」よりも、現場だからかける情報、実際に経験したからこそ書ける情報をしっかり出しているドメインが今後上位になりやすい時代になっていくでしょう。

こういった経緯で、冒頭で「ドメインパワーはもうあまり気にしなくもいいかも」と書きました。

「サイト」から「ページ」へ評価対象がシフト。この動きは加速する

Googleのアルゴリズムは、サイト全体の強さ(一括りのパワー)よりも、「その検索クエリ・文脈に対して、このページがどれだけユーザーの意図を満たしているか、信頼できる情報(E-E-A-T)を持っているか」をより細かく見るようになっています。

ドメインパワーが低い新規サイト、中小サイトであっても、特定領域に特化した専門性の高いコンテンツや、一次情報が網羅されていれば、上位表示を奪うケースは増えていくでしょう。

大手サイトだから無条件に上位表示するのではなく、「誰が、どのような経験や根拠を持って書いたコンテンツか」という信頼性を、ページ単位・トピック単位で細かく検証されていくようになります。

AI検索(AI回答、AI要約など)でトラフィック構造に変化

検索結果の形式が分かり、検索に対し、関連性の高いページのランキングが表示されるのではなく、検索者の悩みやニッチな要求に的確にピンポイントで応える情報が最上段に表示されるようになりました。

これによりウェブサイトの閲覧数は激減しています。これについては以前詳しく書きました。

生成AIでWebサイトへのアクセスが激減|エンジニアやサイト管理者はこの変化をどう捉えるべきか?

そのため、「目の前のユーザーの要求や検索意図に、最も深く正確に応えられている」コンテンツに集中するほうが、結果的に遠回りのようで確実なアプローチと言えます。

特定の外部ツールでドメインパワーの数値ばかり気にするよりも、ひとつひとつのページのE-E-A-Tを築くことが本質的なSEOとなっていくでしょう。