ドローン映像を活かしたウェブCM・PR動画づくり。依頼方法・費用を解説。

ドローン映像を活かしたウェブCM・PR動画づくり。依頼方法・費用を解説。

ドローン撮影

企業CMや道路点検、記念撮影と広く普及しつつあるドローン。

企業PR動画、自治体CM、家族の記念撮影など、ドローンの使い道は企業や自治体、一般家庭へと着実に広がりつつあります。

ここでは実際の事例をご紹介。企業や地方自治体、一般家庭の方がドローンを使った制作(単純な撮影からCM制作まで)を依頼する場合の流れや費用を、それを業務とする側からわかりやすく解説します。

 

ポイント
・ドローンを使ってウェブCM・PR動画を依頼(外注)する場合の流れ(企業担当者・自治体担当者向け)が分かる。
・学校・保育園・こども園・公共施設などで空撮を依頼する際の流れが分かる。
・ドローンによる家族記念撮影を依頼する場合の流れが分かる。
・ドローン飛行に際し注意すべきことが分かる。
 
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ドローンのタイプ

ドローンは年々進化していますが、ドローンで先端いってるのは実は中国の会社、その名もDJI社です。ドローン業界のトップを独占している会社で、精度高く、新しい機能を搭載した新ドローン機種も毎年発表されています。筆者もDJI社のファントムというドローンを業務用に持っています。そもそもドローンは大きく2つのタイプがあります。

手を離すと落ちるタイプ

過去に多かったタイプ。

手を離しているとその場に静止するタイプ

現在はこれが主流。ホバリング機能でその場で停止できます。

ドローンの種類

まず今、どんなドローンが開発されているか紹介します。大きく分けると以下の4タイプです。

ヘリコプター型ドローン

ヘリコプター型ドローン
一番オーソドックスのドローン。業務的にも一番使われている。小型から大型まで様々。アマゾンが開発を進めているのもこのタイプ。

飛行機型ドローン(写真はPatriot)

ドローン撮影依頼 ヒノキブンコ
飛ばすときはブーメランみたいに投げて飛ばす。飛んでるときの姿はさながらツバメ。業務のシーンではあまり使われない。

手のひら制御型ドローン

手のひらの動きでドローンが離れたり、写真を撮ったり、戻ってきたりする。年々ドローンの制御系の進化がすごい。

はばたき型ドローン

ほんとの鳥にしか見えない。今は試作機段階だが、将来どう実用化されるか。

ドローン活用例

ショッピングセンターのウェブCM

こちらは山梨のショッピングセンターのウェブCMです。子供たちの絵を映しながら、館内の吹き抜けを上がっていきます。

名所の紹介動画・観光動画

こちらは山梨のお寺の桜を上空から撮影した映像。併せて、境内の本殿や鬼瓦などを空撮しています。

自治体のPR

弘前PR動画『魔法が使えるかもしれない街 弘前~HIROSAKI~』

ドローン撮影と想像力をうまく和合させたPR動画です。ドローン映像を組み込んだ手法の可能性は無限だと感じさせてくれます。

道路保守

今後、ドローンによって山岳地帯の道路や橋の裏側の点検にドローンが使われていくことが想定されています。

企業PR

会社社内の見学動画。動画の0:57でドローンの映像が使われています。

家族の記念撮影

ドローン片手に世界一周新婚旅行 – 空飛ぶ絶景400日。世界中で閲覧された有名な動画です。

ドローンを組み込んだwebCMをつくるながれ

ドローン映像を組み込んだウェブCMを完成させるためのステップは以下になります。

 

ドローン1

 

ドローンの購入→飛行訓練→飛行許可の確認(必要に応じ許可申請)→実際の撮影→映像編集(不要な部分を切り取りつなげる作業、字幕・音楽当てなど。Final cut proなどで)

 

自前でやる場合もありますが、ドローン操作から動画編集まで幅広いスキルが求められるため、外部依頼(委託)するのが一般的です。

ドローン撮影の依頼先・外注先は?

ドローン専門会社

ドローンの空撮に特化した業者なので、いい映像が撮れます。反面、CM完成まで委託できる場合は少なく、あくまで撮影した映像の納品で終わる場合が多いようです。

ウェブ制作会社に依頼する

ホームページ制作会社(ウェブサイト制作会社というのが正確ですが)がドローンを保有している場合もあります。ドローンの活用は今や、Web制作や企業CMにも一役買う時代なので、多々あるウェブ制作会社が他社との差別化にアピールできるからです。

その場合、ドローン撮影・編集・ホームページ制作をまとめてセットで依頼できるため、依頼者側のコストも手間も低減できるのがメリットです。是非、検討しているホームページ制作会社に問い合わせてみてください。

個人事業者

金額はその人によりますが、全体的には他の業者より安め。また、映像制作技術はひとえに個人の技量によるため、依頼者にとって満足のいく作品ができるかどうかは事前のその人の過去の作品をチェックするなどして判断する必要があります。一方メリットは、密に打ち合わせができたり、撮影が始まってからも方向修正できることです。個人の力量にもよりますが、ドローンという時代の新しいシーンでは、フットワークが軽い個人事業者が威力を発揮できることもあります。

道路メンテ会社

こちらは道路などインフラの点検を依頼する場合の専門会社です。

依頼手順

依頼業者の決める

実績はHPでみる。料金表があれば、なければ電話できく、出張料の確認、対応県

打ち合わせ・イメージを伝える

一番大事なステップ。何を作りたいか、どのような構想を持っているか、できあがりのイメージなどを伝える。大事なのは思いを伝えること。ここでちゃんと伝えれば、制作者はそれを実現するために頑張ります。

飛行可能かの確認

業者がやってくれることですが、国土交通大臣の飛行の許可・承認を受ける必要がある場合は飛行日の 10日前までに、国土交通省又は各空港事務所に申請書を提出します。

ただし、屋内や網等で四方・上部が囲まれた空間については、これらのルールは適用されません。

飛行・撮影

基本、立ち会っていただきます。関係者全員に周知します。ドローン撮影業者は「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」(国土交通省 航空局)に基づいて、撮影手順や万が一の場合の対応などを説明します。

とくに万が一の事故について、事故対策について周知することは重要です。次で説明します。

担当者が知っておくべき過去のドローン事故事例

ドローンが電子回路で動いている以上、パソコンと同じで、いつ壊れてもおかしくありません。壊れたら空から降ってきます。どのようにして事故が起こったのかここでまとめます。

事例1

実際に降ってきて、女性にあたり、首の頸椎に重症を負った事例です→youtube動画

事例2

日本での法改正後、初のドローン人身事故です→youtube動画

事例から学ぶこと

このように、操縦者の経験不足や自動運転の誤作動によって人身事故は起こっています。ドローンに機械系統の故障はつきものです。

「ドローンは壊れるときは壊れる。壊れたら、雨と同じ速度で空から落ちてくる」

このことを関係者や周囲の人たちが理解していることが大事です。落ちてくることを想定して、撮影中は個々が行動することをあらかじめ促すことが大事です。ドローンは安全ではありません。

ドローン飛行許可が必要なエリアかどうか調べる

ドローンを飛ばそうとする場合、そこが許可なしに飛ばせる場所かどうかはじめに確認します。これは業者が判断してくれます。しかし、依頼者も事前に把握できていると、撮影を効果的に進めることができますね。

判断することはそんなに難しくないのですが、初めての人は少し分かりづらいので、ここで分かりやすく解説します。

 

 

すぐにドローンを飛ばせる場合

航空法や自治体の条例、所有者の許可などをクリアしていると、特に許可申請することなく、そのままドローンを飛ばすことができます(以下)。しかし、このようなケースはまれだと思います。

 icon-check-square-o 飛行禁止区域でない
 icon-chevron-down
 icon-check-square-o 条例が禁止する区域ではない(公園など)
 icon-chevron-down
 icon-check-square-o 以下の行為に当てはまらない
 icon-chevron-down
  icon-check-square-o 所有者がドローン飛行を許可している
 icon-chevron-down
 icon-check-circle-o「 許可なしに飛行可能」

上の項目をひとつずつ解説していきます。

飛行禁止区域ではない

こちらの地図で人口集中地区を確認します。人口集中地区の場合、許可なしに飛ばすことはできません。

jstatmap.e-stat.go.jp

条例が禁止する地域ではない

都道府県によって異なります。公園で飛ばしてはいけないと条例で定めている県が多いですが、まずは県の窓口に問い合わせてください。まだ県によってはドローンの問い合わせ窓口がHPに出ていないことが多いので、まずは県の総合窓口に電話するのがいいと思います。

以下の行為に当てはまらない

飛行可能禁止区域でない場合でも以下の場合は申請が必要になります。

(制作中)

ここでポイントとなるのは、関係者や関係者の物なら30m以内で飛ばしてもいいが、隣の家からは30m離れていないといけないということです。

所有者が許可している

その敷地の所有者が飛ばしていいと言っている必要があります。要望に応じて、物損・人身の保険証書、操縦者の経験証明書などを提出し、敷地所有者に納得していただきます。

icon-check-circle-o 2017年3月時点での国土交通省「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」のサイトに基づいています。こちらを必ず確認してください。

近所の公園はだいたい飛ばしてはだめ。

近所の公園は飛行禁止の場合が多いです。自治体の県立公園などは多くの場合飛行禁止です。条例により禁止されていることが多く、その場合、違反すると罰金刑などに課されます。飛行の許可申請ができるかどうかは県の担当部署に確認する必要がありますが、おそらく多くの場合許可が下りないと予想されます。なぜなら、市民公園は市民が自由に往来する場所ですから、安全が担保できないためです。

国立公園は意外にも飛ばしていい。

南アルプスや北アルプス、奥多摩など環境省管轄の国立公園は飛行禁止かと思いきや、意外にも禁止されていません(2017年3月、環境省に電話にて確認)。

上記の禁止エリアで飛ばしたい場合、許可を取る

10枚ほどの申請書を作成して提出、不備がなく許可がおりると、以下のような許可書が国土交通省から届きます。

許可書写真(準備中)

申請書はいきなり郵送で送るのではなく、まずはメールでワードファイルなどで送るよう国土交通省の担当者から促されます。それを何度かメールで修正・指摘を受けて直します。そのあと、以下のようなメールが届き、半月ほどで許可書原本が届きます。

メール(準備中)

このドローン飛行許可の申請取得は行政書士に依頼もできますし、ドローンの撮影業者がセットで取得してくれる場合も多いです。

免責事項

当サイトの情報により生じた事故、損害は一切責任は負いかねます。記事は参考資料としてお使いいただき、自己責任の下でドローン運用・依頼を行ってください。