HPの検索順位が徐々に上がっていくのは嬉しいものですが、そんな喜びが突如として落胆に変わるのが、順位が落ちること。
なかでも急激な順位下降が起こった場合、あなたのサイトがグーグル自動ペナルティを受けている可能性が高いです。
ブラックSEO(グーグルのルールを違反して検索上位に行くようにするSEO)を行ってグーグル自動ペナルティを受けるのは自業自得ですが、悪意がないのに意図せずグーグル自動ペナルティを受けてしまうケースは実はとても多いです。
今の時代、検索順位は会社の売上や問い合わせ数に直結しますので、グーグル自動ペナルティに合わないHPづくりが大切です。
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目次
順位落ちた…グーグルの自動ペナルティの実際
以下がグーグルの自動ペナルティをおそらく受けて順位が急落した実際のデータです。検索順位の変動を示しています。上が1位、下が100位、赤がyahoo、青がgoogle、緑がbingの検索順位です。弊社クライアント様のHPです(クライアント名、サイト名ともに非公開)。
状況としては、コンテンツSEOを行い、半年ほどで順調に順位は上がり始め、2018年8月頃にやっと順位を1ページ目上位へと詰めてきたところでした。
信頼感や期待感につなげる趣向を凝らした記事で、平均滞在時間を4分以上にもっていき、ビッグワードなどで検索順位を上げる正統法。手間がかかる分、全国の人に本当に役立つ情報を提供でき、HPや会社への信頼につなげられるため、会社の資産になります。SEOには、内部SEO、外部SEO、コンテンツSEOがあり、コンテンツSEOはもっとも大切なSEOと筆者は考えています。
順位急落でPV激減
そんな矢先、グラフ中央(2018年9月頃)、突然googleとyahooの検索順位が100位圏外へと急落。PVも激減しました。
グラフから、googleとyahooからペナルティを受けたことが分かります(bingからはペナルティは受けなかったようです)。
ペナルティには手動と自動がありますが、グーグルサーチコンソールに登録していたのでチェックしてみると、手動ペナルティは受けていないことが分かりました。
ということは、この順位下降は自動ペナルティによるものと予想されます。
※ただしグーグル自動ペナルティは通知がないため、すべて推測に過ぎません。
自動ペナルティを受けた原因を推測することは難しいのですが、以下のように仮説を立てて、それに従って暗中模索の作業を開始。半年後の2019年3月に回復しました。
ここから、予想された原因と回復につながったと思われる作業を解説します。
ペナルティを受けた原因
自動ペナルティは原因を教えてくれないという点で対策が難しいですが、基本に立ち返ることが大切。
まず、こちらの「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」を見てください。
これはgoogleの公式SEO解説ページです。
コンテンツを最適化する
そのページの目次の『コンテンツを最適化する』に、以下の文章があります。『避けるべき方法』がありますが、これがペナルティの原因と対策になります。
おすすめの方法
読みやすいテキストを記述する
ユーザーは工夫して書かれた読みやすいコンテンツを楽しみます。
避けるべき方法:
- 綴りや文法の間違いが多い、いい加減なテキストを記述する。
- 文章が下手なコンテンツ。
- テキスト コンテンツでテキストを画像や動画に埋め込む。ユーザーはテキストをコピーして貼り付けたい場合があります。また、検索エンジンがテキストを読み取れなくなります。
トピックを明快に整理する
トピックの始まりと終わりをユーザーが判断しやすいようにコンテンツを整理するのが常に効果的です。コンテンツを論理的なかたまりに分けると、ユーザーが必要なコンテンツを迅速に見つけやすくなります。
避けるべき方法:
- パラグラフ、小見出し、レイアウトの分離を取り入れずに、1 つのページにさまざまなトピックに関する大量のテキストを載せる。
新鮮な独自のコンテンツを作成する
新しいコンテンツがあると、既存のユーザーに何度もアクセスしてもらえるだけでなく、新規ユーザーも取り込むことができます。
避けるべき方法:
- ユーザーに付加価値をほとんどもたらさない、既存のコンテンツの焼き直し(またはコピー)。
- サイト上にコンテンツの複製やほぼ同じバージョンを掲載する。
検索ではなくユーザーに合わせてコンテンツを最適化する
一般に検索エンジンからアクセスしやすいサイトにすると良い結果につながりますが、その一方で、ユーザーのニーズに合わせてサイトをデザインしてください。
避けるべき方法:
- ユーザーにとっては迷惑で意味のない、検索エンジン向けの不必要なキーワードを大量に挿入する。
- 「このページにアクセスする際のよくある入力ミス」のような、ユーザーにとって価値のないテキストのブロックを掲載する。
- 偽装的にユーザーからテキストを隠し、検索エンジンに対しては表示する。
出典:検索エンジン最適化スターターガイド(https://support.google.com/webmasters/answer/7451184?hl=ja)
たくさん項目が並んでいますが、「サイト上にコンテンツの複製やほぼ同じバージョンを掲載する。」の項目が、今回のケースでは当てはまると感じ、ここの改善を行うことにしました。
これを重複コンテンツと言いますが、一般的に陥りやすいペナルティ原因のようです。
今回ペナった原因・行った対策
今回ペナった原因はおそらく「サイト上にコンテンツの複製やほぼ同じバージョンを掲載する。」をやってしまったからです(推測の域をでませんが、ここを改善して順位が戻ったので)。
状況としては、2つのサイトを運営していたのですが、どうしても同じ商品に対する説明はかぶってしまいます。そこまではいちいち変えていませんでした。
しかし、その部分がgoogleにより「コンテンツの複製」と判定を受けてペナったと予想しました。
そこで改善策として、重複文章の徹底的な排除を行いました。また両サイトに存在した同じ趣旨のページをどちらか削除し、重複コンテンツをなくしました。
その結果、順位が回復し始め、ペナルティが解除されたことが分かりました。
「サイト上にコンテンツの複製やほぼ同じバージョンを掲載する」が原因ではないかと気がつくまでにまず2ヶ月ほどかかりました。それまでは他の可能性を検討していました。検討といっても、具体的にホームページに手を入れず、いろいろと調べていました。
そして、「サイト上にコンテンツの複製やほぼ同じバージョンを掲載する」が原因ではないかと目星を付けて、その改善作業に乗り出し、2ヶ月ほどかけて完了しました。
実質的には作業終了後、1〜2ヶ月ほどでペナルティが解除された印象です。
今回のまとめ
「サイト上にコンテンツの複製やほぼ同じバージョンを掲載する」が原因でペナルティを受けていると予想されるサイトは多くあると思います。
とくに、ECショップでは商品の説明はメーカーの説明書に頼る部分が多いと思いますので、そこでペナルティを受けているケースは多いと思われます。
その場合、焦らずアリのように着実に、オリジナルの商品説明、コンテンツ文章を一カ所ずつ作成し、改善してください。そうすれば、ペナルティは解除され、順位は上がってくる可能性は高いと思われます。
googleの自動ペナルティがなぜ怖いか?
この図は国内の検索エンジンのシェア割合です。googleとyahooで合わせると国内の検索の実に95%をカバーしています。簡単に言うと、100人に95人は、検索エンジンで何かを調べるとき、googleかyahooのどちらかを使っているということです。
検索エンジンはアルゴリズムといわれる高性能なプログラムで動いていますが、yahooの検索エンジンはgoogleのアルゴリズムを使っています。つまりgoogleとyahooの検索結果は基本的には同じになります(それははじめのグラフで青と赤が重なっていることからも分かります)。
つまり、googleの検索エンジンのSEOを行えば、95%の検索に対して効果を発揮できるということになります。
SEO対策がgoogle対策とほぼ同義である理由がここにあります。
もちろんbing(Microsoft社が提供する検索エンジン)もSEO対策できるはずですが、そのノウハウはネットにほとんど出回っていないようです。
『そもそもペナルティってなに?』
ペナルティには自動と手動がある
ペナルティには手動と自動があります。手動ペナルティも自動ペナルティも受ける原因はほぼ同じです。
手動ペナルティ
手動ペナルティの場合は、GoogleからSearch Consoleの左側のメニューの「手動による対策」というところに手動ペナルティを受けていることがメッセージとして届きますのでそれに従って対策を行います。ペナルティを受けた事が分かるし、対策方法も分かるので、怖くありません。答えがあるという意味で学校のテストのようなものです。
ただ、内容としては重いものが多く、googleからインデックスを外されるため、検索にそもそも表示されないという深刻な事態になっていることが多いです。早急に対処する必要があります。下記で解説する「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」を読んでご自身で対処することも可能ですが、専門の詳しい人に任せるのもいいと思います。ケースによりますが私も対応できますので、お気軽にご相談ください(support@hinokibunko.com)。
自動ペナルティ
自動ペナルティを受けたことは誰も教えてくれません。それは知らぬ間にやってきます。また、何が原因でペナったかも誰も教えてくれないので、暗中模索で対策を進めることになります。
自動ペナルティは軽いものが多いと言われます。しかし、筆者の考えはそうではありません。SEO対策を行い、2ページ目から1ページ目へ、1ページ目下部から上部を狙っている場合、この自動ペナルティは深刻です。順位が5位から15位に落ちただけでも大ダメージになります。
自動ペナルティは答えがないという意味で、恋愛の駆け引きのようでもあります。
SEO業界でペナった!と言うとき、それは自動ペナルティを指すことが多く、自ずと対策も自動ペナルティに向けられたものになります。先ほどのグラフのケースもむろん自動ペナルティでした。
多かれ少なかれ、ペナっているケースは意外と多い
他人のサイトの中身をパクるとペナルティを受けることはすでに有名な話です。したがって、今の時代、悪気を持ってホームページのぱくりを行い、ペナルティを受ける人はさすがに少ないでしょう(それを承知で行う人は別として)。
実は、悪気がないのに知らず知らずにペナルティ対象の行為を行ってしまい、その結果ペナルティを受けるケースが多いです。
つまり、悪気がないのに、意図せずペナルティを受けるような行為をしてしまうケースです。上のグラフのケースもそうでした。
ペナルティを受けているのに気づいていない人も多い
また、ペナルティを受けているのに気づいていない方も多いです。なぜなら、自動ペナルティは通知されないからです。SEO対策者が入っていれば順位計測やその他ツールなどでペナルティに気がつきますが、普通は気づくことさえ難しいでしょう。
googleが厳しいペナルティを課す意味
最後に、googleが先ほどの検索エンジン最適化スターターガイドなるものを出し、重複ページに対する厳しいペナルティ(パンダアップデータによる重複ペナルティと呼びます。こちらは「記事というコンテンツSEOで月間PV40万超え。行ったSEO対策を解説」でも詳しく解説しています)を行う理由は以下です。
・世界をコピーサイトで溢れさせないため。
・グーグルが自社の検索アルゴリズムがいい検索結果が出せるようにし、世界のウェブサイトを統一したい(筆者予想)。自動車が走りやすいように道路の標識を統一するのに似ています。
以上です。読了いただき、ありがとうございます。
もし何かペナルティでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。その際は、ペナルティを受けたと思われるドメインとURLを教えてください。