
『私もいずれ宇宙の塵にもどる』みたいな言い方をする人がいますが、自分もこの考えが好きです。
いい意味でも悪い意味でも、やはりこの世界はかき混ぜだし、死ねばヒトの成分は宇宙に戻るし、星は崩壊と生成を繰り返しています。愛し合う人同士は交じり合い、遺伝子のかき混ぜが起こる。主義や意見は対立し、混ざり合い、そこからまた何かが生まれ、それもいずれなくなり、次の何かが残る。
この世界が存在する理由はないのかもしれませんが、普遍的なことがあるとしたらそれは成分は常にかき混ぜられるということです。
なぜ、常にかき混ぜられるのかは分かりませんが、かき混ぜられなかったらそもそも太陽も地球も私たちも存在しませんでした。かき混ぜ続けること、つまり変わりつづけたために、星が生まれ、地球が生まれ、人がうまれ、ワードプレスが生まれました。
ビッグバンで始まったこの宇宙。その外側にある空間でもまた、同じようにかき混ぜが起こっているのかもしれません。
この記事では、そんなかき混ぜの摂理をウイルスの切り口(PCウイルスではなくて、インフルエンザウイルスなどのウイルスの方)から解説し、SEO(検索エンジン最適化)の本質の話につなげます。ウイルスは一見SEOとは無関係ですが通じるところも多々あり、ゆえにSEOを直感で(たとえ話で)理解してもらうのに一役買うはずです。
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目次
かき混ぜの意味とそれを担う者
まず、かき混ぜの原理、かき混ぜが起こる原動力に触れます。
宇宙の物質のかき混ぜは重力です。恒星が己の重力でやがて潰れ超新星爆発を起こします。超新星爆発を起こさない星の終わり方もありますが、やはりそこにも深く重力が関与しています。また、有名なブラックホールも究極の重力です。
生物のかき混ぜは交叉、トランスポゾンの介入、ウイルス感染などがあります。中でもウイルス感染は生物業界の重力のようなものだと思っています。近年、太古からウイルスがヒトや動物に感染した痕跡が見つかり、ウイルス感染により進化が促進されてきたことを示唆する論文が出始めているからです。

重力は星の誕生や終わりを促進し、ウイルスは生物の進化を促進する。かき混ぜ、つまり同じでいることを許さない仕組みを、『重力』や『ウイルス』が担っているのです。
惑星、ペンと言ったとき、それは具体的に対象が存在する言葉ですが、重力、ウイルスと言ったとき、それは研究者さえ今も捉えきれない雲みたいな言葉です。ある意味では、愛、正義といった抽象的で概念的な言葉と同じかもしれません。
その抽象性の深さは、逆に背負っている役目の重さを示しているのかもしれません。たしかに、人間の職業もどの言葉に関わるかで、やりことや考えることはまったく違ったものになります。

検索結果の順位にも『かき混ぜ(=安定を許さない摂理)』が存在する。
さて本題ですが、『検索結果の順位』のシーンにも、このかき混ぜ、安定を許さない摂理のようなものが存在します。
いい記事やページを書いて、それがそれなりに検索数のある検索ワードで1位になっても、そのまま何もしなければやがて順位は下降しますし、改善し変え続ければずっと1位でいれるかもしれません。
その検索順位は、googleなどの検索エンジンの順位決定方法(アルゴリズム)で決まりますが、人間という生物を対象にする以上、その順位決定も自然の摂理に敵(かな)うものでなければならなかったようです。自然の摂理に則らない検索エンジンはユーザーの支持を得られず自然淘汰されました。
検索順位が自然の摂理に従うのなら、SEO(検索エンジン最適化)を知る上で、重力やウイルスのかき混ぜのことを知っておくことは大切ではないか。そう思ったのが、この記事を書いたきっかけです。SEOが対象とするのも、つまるところ人間という生物。ここから、ウイルスという切り口でSEOの正体に迫ります。

ウイルスが生まれて5億年。検索エンジンが生まれて20年。
ウイルスが生まれて5億年以上(諸説あり)、検索エンジンが生まれて20年ですが、両者には不思議と共通点があります。それを知ってもらうために、まずウイルスについて解説します。ふつうならウイルスの解説はさっぱり済ませるべきでしょうが、筆者はウイルスの専門家だったのでがっつり解説しちゃいます。ある程度読み飛ばしてもかまいません。
ウイルスは異例ずくめ
ウイルスは細胞に感染する粒子です。その特徴は異例づくしです。
ウイルスは生物への影響が甚大
ウイルスは生物への影響がときに甚大です。
たとえばスペインかぜです。1918〜1919年に世界的に流行した強毒型インフルエンザで、世界の死亡者数は0.5〜1億人(感染者は5億人とも)、日本の死亡者数は推計48万人と言われています。
当時は第一次世界大戦の終わり頃。第一次世界大戦の犠牲者数は900〜1,500万人ですから、スペインかぜによる死者は第一次世界大戦の犠牲者数より多かったとも言われています。
ほかにもウイルスによる甚大な生物学的被害は人間から植物、細菌に至るまで、多く報告されています。
このように、ウイルスは生物への影響が甚大なのです。

ウイルスは生物かどうかが決まってない
ウイルスが生物か生物でないかは学者の中でも今も意見が分かれています。そもそもウイルスという言葉が愛、正義と同じように人間が作り出した抽象的な言葉なので、その議論はまったく意味がないというのが筆者の昔からの考えです。
進化系統樹に乗ってこない
生物なら、恐竜でもアリでも人でもO157(病原菌)でもヒョウモンシャチブリ (深海魚。子供があまりに連呼するので覚えてしまった)でも一つの進化系統樹で繋げられます。

ところが、ウイルスだけはその系統樹に乗せることができません。これもウイルスの異例な点なのです。
生物なら持ち合わせてるはずの遺伝子をウイルスはほとんど持っていないからです。
ウイルスは動物、植物、菌に感染する。
ウイルスは動物だけでなく、魚、植物、カビにも感染します。また、O157などの細菌にも感染します(菌とウイルスはよく一緒にされますが、人間とタンポポ以上に離れた存在です)。

地球上あらゆる場所に多量に存在する
土1グラムを手にした時、そこには1億匹以上の細菌がいますが、ウイルスはだいたいその10倍存在することが分かってます。ウイルスは地球上にあまねく存在するのです。細胞生物がいる環境でウイルスがいなかった、という自然環境はないと思います。なぜここまで地球がウイルスだらけなのかはよく分かっていません。
ウイルスの形も以下のようにさまざまです。中には、探査船のような不思議な形をしているウイルスもいます(図右側)。また、ミミウイルスのようにウイルスの定義から外れるような新しいウイルスも近年発見されており、ウイルスという定義自体がよく分からなくなっています。

ウイルスはどうやってかき混ぜるを起こすか?
このようにウイルスの異例さを説明してくると、ある点が見えてきます。それは、横断的ということです。あらゆる生物にまたがるようにしてウイルスは存在します。
ウイルスは生物の種やドメインさえ超えて遺伝子を移しています。
実際、約4,500万年前に人類の祖先にあるウイルスが感染した痕跡が見つかりました。またO157にも大規模なウイルス感染によるゲノム配列があることも最近わかりました。
このような背景を受けて、先ほどの図を裏付けるかのように、『ウイルス感染→そのままゲノム定着』により、進化が促進されてきたことを提唱する論文が出始めています。
つまり、ウイルスは生物種に関係なく、水平的に、横断してゲノム、遺伝子を移すことで、かき混ぜを行なっているのではないでしょうか。
異なる生物種というジャンルを超えて横断的であることがかき混ぜの正体です。
ウイルスと検索エンジンの共通性
検索エンジンはウイルス(コンピューターウイルスではなく、生物の方のウイルス)と同じで、その場を横断的に作用し、かき混ぜを起こすものと捉えることができる、というのが筆者の考えです。
グーグルはペナルティや良質ページのドメイン評価方式などは実に巧妙な仕組みを自社の検索エンジンに持たせていきました。その仕組みが自然の摂理に十分適ったものだったため、グーグルは実に9割以上の検索で使われる検索エンジンになったのでしょう。
ログの変化
と、ウイルスと検索エンジンが同じかき混ぜを起こしているんだ、と言われても、まだピンとこないと思います。そこで視点を少し変えます。
SEOがうまくいったときにgoogle analyticsのPV図を眺めていると、「これは自然界で見られる反応と似てる。ログで増えて、基質が枯渇するとプラトーになり、衰退もすっと起こる。基質を枯渇させず、酵素反応を続ければPVは増え続けるはずだ」と思うことがよくありました。たとえば以下です。



こういうログ(比例ではなく等比級数的)で増える現象は、生物のあらゆる変化や自然界の反応でよく見られます。インフルエンザの感染者数もインフルエンザウイルスの体内での増え方も、インシュリンの変化もログです。夕日の美しくなっていく変化もログです。人口増加や企業成長にもログはしばしば見られます。

これは基質(反応するもの)と触媒(酵素。反応を起こすもの)が3D(立体的)に反応する(出会う)からです。ひとたび起こり始めれば、立体的な出会いのもとに、等比級数的に反応は増加していきます。減る時もあっという間に減ります。
PVが増加していったり検索順位が上がるシーンでは検索エンジンが反応の場所です。重力が宇宙の成分をかき混ぜるように、ウイルスが生物の遺伝子をかき混ぜるように、『検索エンジンが世界のウェブ情報をかき混ぜる』というイメージです。
SEOと検索エンジン
たとえば、『私のこんな小さいサイトで記事を出して、いったい誰が見るの?』と思う人もいるかもしれません。でもそれは間違いです。
どんな小さいサイトでも、そこにオリジナルの面白いこと(コンテンツ)が書いてあれば、いずれ必ず評価されて順位を上げていきます。検索エンジンは重力やウイルスと同じようにあまねく存在し、世界中のWEBページを正当に評価しようとします。そのようなことを意識すれば、SEOでやるべきことが見えてくるのではないでしょうか。
SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)とは、自社のホームページで売りたいと思っている商品(商品名でも業務サービス名でもいい)でgoogle検索(yahoo検索、bing検索でもいい→これを検索エンジンという)したとき、1ページ目上位に表示されるようにする長期計画のことです。
もし競合多い検索ワードで1ページ目に表示されれば、広告・宣伝費用をかけなくてもWEBからの問い合わせ、売上がずっと増加するので、とくに中小企業の拡大戦略になっています。
この順位を決めているのが検索エンジン。よって、SEOは検索エンジンを知り、正しい対策を打つことに他なりません。
SEO対策:検索エンジンで上位を目指すには?
大手企業のように、圧倒的なドメイン力を持っているケースの除けば(そのようなケースは稀ですが)、検索上位を目指すには2つの取り組みが必要です。
SEO対策その1:コンテンツの良さ
コンテンツの良さ、これが一番大事です。
先ほどのウイルスの話を踏まえても、検索順位の世界もかき混ぜが起こっており、すべてのWEBページがgoogleにより発見され、評価される仕組みになっています。
ですから、自分のホームページを多くの人に見られたいと思っている人は、とにかく自分のホームページに面白い、できれば3000文字以上の長めの文章に、オリジナルで分かりやすい図やイラストを載せて記事を作ることです。日記や短いブログはSEO上ほとんど意味がありません(お客様には日々更新されているといういいイメージは与えられると思いますが)。
とにかく、お客様の満足度の高い方向へページの中身を変え続けること。これが大事です。
SEO対策その2:内部SEO、外部SEO
二つ目は内部SEO、外部SEOです。グーグルもシステムですから、ある程度HP所有者側の設定的なことも重要です。具体的には、別記事『記事というコンテンツSEOで月間PV40万超え。行ったSEO対策を解説。図解あり』の『行っておくべき狭義SEO』で詳しく書いていますが(目次でたどれます)、主にホームページのコーティング、調整的な話になります。
この部分は専門的な部分も多いので、地道にご自身で調べて少しずつ対応していくか、または私のようなSEO専門業者に相談するのも手です。
業者に依頼する場合、業者によっては、googleペナルティを受けるようなリスクのあるSEOをされるので気をつけてください。
以上、ウイルスという切り口でSEOを考えてみました。ざっと書いてしまい、読み返すと流れが手荒でした。この記事も改善しつづけなければいけないようです(笑)
ヒノキブンコ 代表